スタジオゆりら Diary

ご訪問ありがとうございます!スタジオゆりら管理人が色々長文で語る不定期更新の日記です。

子どもとコンテンツ

『「おかあさんといっしょ」から見るこども番組』というドキュメンタリー番組の再放送をついさっき見てきました。余韻冷めやらぬまま記事を書いています。

当時の制作スタッフの熱意がまさしく本物でしたね。

戦前・戦中、軍国主義的教育に染まった社会を生きた大人による「子どもの豊かな感性を育む良質な番組を作るんだ」という強いポリシーがありました。

私はNHKの番組だと「みんなのうた」が大好きなのですが、きっとこちらも同じポリシーのもと生まれた番組といえるでしょう。

 

昔こども向けのテレビ番組が無いに等しかった時代。

当時の歌謡曲とか口ずさもうものなら「そんな大人の歌うたうんじゃありません!」なんて言われていた時代。

ふと考えたら、今の時代にも通じるものがあると思うんです。

コンテンツの量はむしろ飽和状態だし、舞台はテレビ→インターネットに移りましたが、質の方は本当に玉石混交。

もちろん全ての人が安心して見られるコンテンツを作りつづけるすごいネットクリエイター・活動者はいますが、大抵は手っ取り早さとか目先の映えという印象。

「面白いけど、子どものうちからこんなものばっかり見て育ったらどんな感性の大人になってしまうんだろう。。。」と心配になることが時々あります。

今こそ子どもに何を見せるか、何を作り届けるか、大人が真剣に考える時がふたたび訪れるのかもしれません。

子どもを取り巻く環境にまつわる問題への関心の強さが前のブログの時から変わっていない私です。

広がれヒーローの輪!性別を超えて

すっかり女児向けアニメから遠ざかっている私ですが「おっ?」と思う出来事があったので、拙いながら調べ調べしてこの記事を書いています。

おとといから始まったプリキュアシリーズの第20作目『ひろがるスカイ!プリキュア』に、史上初の男の子メインキャラクターが登場するそうですね。

numan.tokyo

男の子プリキュア自体は2018年放送の『HUGっと!プリキュア』に1話だけ登場しましたが、いわゆるレギュラーとして継続的に活躍していくキャラクターとしては初めてとのこと。

スカイプリキュアにはこの他にも新成人にあたる年齢のプリキュアが登場したり、主人公がピンク系ではなく青色戦士だったりと、20作目という節目に様々な挑戦をしていくようです。

 

いやあ~~~…きましたね!満を持して!

戦隊ヒーローや仮面ライダーなどへのレギュラー女性戦士登場はだいぶ進んできましたが、その逆がぜんぜん進まないじゃないか…というのはずっと感じていました。

以前Twitterでこう呟いたことがあるほどですが……

女の子・女性が男性向けとされるものを愛好しても比較的「いいんじゃない」で済んでいる印象ですが、男の子・男性が女性向けとされるものを愛好すると聞いたら日本ではだいたい白い目で見られるし、酷い場合だと犯罪者予備軍扱いや誹謗中傷などに晒されることも珍しくないみたいです。

具体的な言及はここでは避けますが、そちらの理解が進まない背景には、かつて日本を震撼させた某事件が今も影を落とし続けてることがあるのでは…とも思いました。

もういい加減、その呪いから解放されてもいいじゃないか。

今こそ長年の風潮を変えてやろうぞ。

そもそも男児向けヒーローの方に目を向けても『ドンブラザーズ』にピンクスーツの男性戦士が登場したそうですし『仮面ライダーバイス』もピンクをふんだんに取り入れたカラーリングになっています。

ピンク=女の子の色というイメージを少しでも払拭しようという気概を感じます。

これからそういう試みをたっぷり盛り込んだ作品を見て育った子どもたちの中に「性別と好きな気持ちは関係ない!」という意識がもっと芽生えていきますように。

そしてその子達が大人になって、性別の枠組みに捉われない社会になりますように。

男女平等や性の多様性をもっと社会に広めようという時代に、素晴らしいチャレンジをしてくれたスカイプリキュアに拍手喝采です。

私が比較的年齢層そこまで高くない風の創作をやってることも併さって、勉強も兼ねて見てみようかしら?とちょっと思いました。プリキュア

変わらないもの

皆さま、年末年始はいかがお過ごしでしょうか。

年末の風物詩のひとつといえばNHK紅白歌合戦でありましょうが、私は全然違うもので盛り上がっておりました。

event.nijisanji.app

にじさんじユニット歌謡祭2022』

ANYCOLOR株式会社が運営するVTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」に所属するライバーさん総勢80名以上が様々なユニットを組んで登場し、3日間にわたり繰り広げられる年末の音楽の祭宴。

おととし、昨年は所属ライバーさんが個人で企画してYouTube配信上で行われたイベントだったのですが、今年は運営さん主導で大幅パワーアップして行われました。

今年は私が特によく見ているライバーさんが3D化を果たしての全日出演ということでたいへん心待ちにしていたのですが……いや~アツかった!!

歌ありダンスあり、可愛い曲もカッコいい曲も、若向けの最新曲から昭和の古い曲まで、歌唱力で存分に魅せるステージからハチャメチャな抱腹絶倒のパフォーマンスまでよりどりみどり。

お目当ての出演者以外の出番も全て楽しみました。

娯楽の中心がテレビからインターネットへ移り変わりつつあるこの時代。それでも「合戦ではないけど、まさしく紅白歌合戦、音楽のバーチャルお祭りだな」と思いながら見ていました。

 

そして年が明けて昨日、2022年と過去のNHK紅白歌合戦の名場面を振り返る特番があったので見ていたのですが、そこでプレイバックされた名シーン集のラストを、サザンオールスターズユーミンの共演が飾っておりました。

平成最後の紅白歌合戦そのラスト、周りでは北島三郎さんやらMISIAさんやら松田聖子さんやら、日本を代表する音楽の大スター達が時代を越えて取り巻いてのお祭り騒ぎ。

そんな様を見て、なぜか私の脳内に浮かんできたのは、日本神話の「天の岩戸」の祭り騒ぎでした。

神話から人へ、そしてバーチャルの世界へ。

時代と舞台が移っても、色々な意味で変わらないなと思う年の初めです。

メリー・クリスマス

クリスマスが近づいた先日、ふと「そういえばあったな」と唐突に思い出したものがあります。

子どもの時大好きでビデオ等で見ていた「トムとジェリー」の、クリスマス回。タイトルもずばり『メリー・クリスマス』(英題:The Night Before Christmas)です。

ホワイトクリスマスの夜、家の屋内外の風景から始まります。

華やかに飾られた部屋の片隅、ジェリーの巣穴の入り口にはネズミ捕り。ワナに仕掛けられた黄色くて四角いチーズに、ご丁寧に可愛い赤いリボンが結んであるのはきっとクリスマスだから。

仲良くケンカが日常のジェリーですから、そう簡単にワナに飛びつくはずもなく、クリスマスに彩られた部屋へと繰り出していきます。

ツリーの周りやおもちゃで遊びまわっているうちにトムを起こしてしまい、毎度おなじみの2匹のチェイスが始まります。

(そういえば追いかけっこのシーンに少しだけ出てくる起き上がりこぼしがアンパンマンに本当にそっくりで、子どもの私は見るたびに「アンパンマンだなぁ…」と思ったものでした)

追いかけっこだけじゃない色々なことが起こりますが、最終的にジェリーはキャンディのステッキを手に入れます。

そのステッキを持って巣穴まで戻ったジェリー。ネズミ捕りに仕掛けられたリボン付きチーズにステッキを慎重に引っ掛け、一思いに引っ張りました。

パチン!と硬い音。

ところが、作動したはずのネズミ捕りは、到底何かを捕まえることはないスピードでゆっくりと動いていきます。ジングルベルのメロディーとともに。

「なんでネズミを捕まえるためのワナが、こんなにゆっくり動くの?」と、子どもの私は不思議でたまりませんでした。

 

ああ、あれはトムからのクリスマスプレゼントだったんだな…と気づいたのは、大人になってからでした。

 

。。。☆

『希望の風サティ』第2話公開に寄せて


www.youtube.com

本日、YouTubeチャンネル「スタジオゆりら」にて長編創作シリーズ『希望の風サティ』(以下:『サティ』)第2話を公開いたしました!

突如始まった、闇の魔導士による大規模な反乱。
サティ達は急いで安全な場所へ避難しようとするが
残酷な運命は、容赦なく三人を引き裂くのだった……

 

まさか、これを制作している最中に、現実世界で大きな戦争が始まってしまうとは思ってもみませんでした。

もちろんそれ以前からこの世界では様々な紛争や武力行使の事案はありましたが、今話はそれらを彷彿させるハードで辛いシーンが多かったのも相まって、何度も筆が止まりました。

「本当にこの物語を制作して、世に出していいんだろうか…」「打ち切ってしまおうか…」とさえ思ったほどでした。

それでも最終的に、この話を制作し、世に出すに至りました。

その根底にあったのは「力による現状変更の否定」

拙いものだし、一個人の小さな声でしかないけれど。

そうだとしても自分のやり方で声を上げ続けよう。

暴力や恐怖で何かを支配することがあってはいけないと。

そうして『サティ』の物語を描き切ることが、私の戦いだと思っています。

イラストAI「mimic」の続報を受けて

先日スタジオゆりら作品のガイドライン公開に合わせて公開した記事の中で、イラストメーカーAI「mimic」が他者によるイラスト不正利用の懸念を受けてサービスを停止したという出来事を紹介させていただいたのですが

www.j-cast.com

このmimicについて昨日新たな動きがありました。

運営元がTwitterを更新し、懸念されていた他者のイラスト不正利用について、ベータ版2.0の中でどのような対策を講じていくのか説明を行いました。

まずこのmimicのサービス開始にあたり絵描きの皆さんが心配したことといえば「誰かが自分の制作したイラスト画像を無断でこのmimicに読み込ませて、それを自分のオリジナルと言い張りだすのではないか……」ということでした。

規約に禁止事項として「他人のイラストを勝手にアップロードしないでください。必ずあなたが描いたイラスト、もしくは権利を保有しているイラストをアップロードしてください」と書いてはあるものの、制作した本人かどうかを確かめる方法が明らかにされていませんでした。

こうした問題について、大きく3本立ての対策が打ち出されました。

以下、詳細をかいつまんで説明すると

Twitterアカウントの事前審査

運営側のガイドラインに基づいてTwitterアカウントを審査し「ご自身でイラストを描いている」と判断された人のみがイラストメーカーを使える。

学習に利用されたイラスト・mimicが作成したイラストを公開必須とする

透明性を確保するため、上記二種類のイラストは大きな透かしが入った状態で公開される。非公開設定にはできず、作成後48時間は削除できない。

mimicが作成したイラストの不正利用対策

mimicが作成したイラストには必ず透かしが入り、無くすことはできない。万が一不正利用された場合に備えて、追跡するための情報が付与される。

この他にも、削除されたイラストについても情報開示請求に備えてデータが保持される、規約違反が疑われる人の報告フォームが設けられるなどの対策が取られ、状況に応じて追加の対策が導入されるとのことです。

 

迅速!充実!なにより真摯!!

というのが、この発表を受けて最初に受けた印象です。

ベータ版が最初に公開されたのが8月29日、膨大な批判を受けて翌日30日に停止。それから半月ほどの間にここまで対策が整えられるものかと正直驚きました。

mimicそれ自体については面白そうという評価であり、絵描きが悪意あるネットユーザーから守られ、安心して利用できる仕組みづくりが待たれていました。

ユーザーの事前審査によって「これは無断転載アカウントではないか?」と疑われる人はある程度弾かれるし、学習元データが半強制的に公開されることで「これ、私の絵が勝手に使われてる!」と客観的に証明されることになります。

絵描きの端くれの私から見ても「これだけ手厚ければ安心できるかも」と思えたし、Twitterにおいても「ありがとう」「応援してます」という歓喜の声があふれていました。(まぁ自分が実際に利用するかどうかは分かりませんが。。。)

このイラストメーカーAIの話を聞いた当初は正直いって背筋を冷たいモノが走らないわけでもなかったのですが、運営さんは本当に心から絵描きさんの力になりたいと願っていたんだなと、それを態度でしっかり示してくれたなと感じました。

まだまだ課題が完全に解決したわけではないでしょうし、これから新たな問題が出てくることもあるかもしれませんが「この運営ならきっと大丈夫じゃないかな」と今は心から思えるし、応援したいとも思えます。

そして、この対策が上手くいって、今後インターネットにおけるアート・イラスト系サービスのスタンダードになっていくといいなと願います。

ガイドライン公開に寄せて ~著作権と私

昨日、私ゆりらの創作物についてガイドラインなるものを作成・公開いたしました。

studio-yurila.hatenablog.jp

いきなりこんな物々しいモノを引っ提げて、一体何事だと思われた方もいるかもしれません。

背景にあるのは、創作を生業・趣味とする人たちを取り巻く様々な動きでした。

今年に入ってからだけでも色々あったな、と感じます。

news.mynavi.jp

kai-you.net

www.j-cast.com

どれも無断転載・自作発言といった作品の不正利用問題が背景に色濃くあるもの。

私のフォロワーさんや仲良い人も転載被害に遭う人が出てきて「これは他人事じゃないな」と強く感じずにいられませんでした。

「何も言ってないじゃん!だから好き勝手に使っていいってことでしょ?!」と言い逃れされないよう、先手を打つ格好です。

著作権法も一部参考にしながら、自分が作品に対してやってもらって大丈夫なこと、逆にされて嫌なことをできるだけ正確に、そして易しい言葉で表せるよう考えました。

 

SNSの発達に伴い、著作権や作り手への理解不足とそれが引き起こす不正の影響が深刻になっていると感じます。

いいね数やフォロワー数といった数字が、その人の人気やお仕事に直結する時代。作り手への敬意を欠いたユーザーの行動が、よりダイレクトに作家さん・クリエイター志望者さんに影を落とすようになっている気がします。

(あとリンク2つ目のテラーノベルの件は、アクティブなネットユーザーの低年齢化という事象も背景の一つとしてあると思う)

創作を愛する人たちのインターネットライフに幸あれと願わすにいられません。

 

とはいえ、おかげさまで私ゆりらは今のところそういった転載などによる諸々の被害は被っておりません。

昨日創作物ガイドラインを公開した時も「ありがたいです!」というお言葉をいただきました。言語化って色々な恩恵をもたらす大事なことなんですね。

そういえば私が著作権に関心を抱いたきっかけは、うごくメモ帳の作品を公開するインターネットコミュニティ「うごメモはてな」でした。

ゲームキャラを使ったマンガや一発ネタ系の作品、ボーカロイド曲を使ったMV(当時はPVと呼ばれていた)なんかがゴロゴロ転がってたもんです。

当時の私はゲーム雑誌に好きなキャラクターのイラスト等をよく投稿していて、完全にそのノリで「二次創作マンガなぞ描いて投稿してみようか…」なんてぼんやり憧れていたのですが

「なんか、他人が作ったものを勝手に使うと、著作権なるものにひっかかってヤバいらしい」と知って

「じゃあ版権キャラクター描くのや~めた!オリジナル描~こう!」と思い立ち、私ゆりらの看板創作『希望の風サティ』が生まれ、今に至るのでした。

(中学生か高校生ぐらいでちゃんと日本の法律に関心持ってたの偉くない?誰か褒めてくれ)