スタジオゆりら Diary

ご訪問ありがとうございます!スタジオゆりら管理人が色々長文で語る不定期更新の日記です。

イラストAI「mimic」の続報を受けて

先日スタジオゆりら作品のガイドライン公開に合わせて公開した記事の中で、イラストメーカーAI「mimic」が他者によるイラスト不正利用の懸念を受けてサービスを停止したという出来事を紹介させていただいたのですが

www.j-cast.com

このmimicについて昨日新たな動きがありました。

運営元がTwitterを更新し、懸念されていた他者のイラスト不正利用について、ベータ版2.0の中でどのような対策を講じていくのか説明を行いました。

まずこのmimicのサービス開始にあたり絵描きの皆さんが心配したことといえば「誰かが自分の制作したイラスト画像を無断でこのmimicに読み込ませて、それを自分のオリジナルと言い張りだすのではないか……」ということでした。

規約に禁止事項として「他人のイラストを勝手にアップロードしないでください。必ずあなたが描いたイラスト、もしくは権利を保有しているイラストをアップロードしてください」と書いてはあるものの、制作した本人かどうかを確かめる方法が明らかにされていませんでした。

こうした問題について、大きく3本立ての対策が打ち出されました。

以下、詳細をかいつまんで説明すると

Twitterアカウントの事前審査

運営側のガイドラインに基づいてTwitterアカウントを審査し「ご自身でイラストを描いている」と判断された人のみがイラストメーカーを使える。

学習に利用されたイラスト・mimicが作成したイラストを公開必須とする

透明性を確保するため、上記二種類のイラストは大きな透かしが入った状態で公開される。非公開設定にはできず、作成後48時間は削除できない。

mimicが作成したイラストの不正利用対策

mimicが作成したイラストには必ず透かしが入り、無くすことはできない。万が一不正利用された場合に備えて、追跡するための情報が付与される。

この他にも、削除されたイラストについても情報開示請求に備えてデータが保持される、規約違反が疑われる人の報告フォームが設けられるなどの対策が取られ、状況に応じて追加の対策が導入されるとのことです。

 

迅速!充実!なにより真摯!!

というのが、この発表を受けて最初に受けた印象です。

ベータ版が最初に公開されたのが8月29日、膨大な批判を受けて翌日30日に停止。それから半月ほどの間にここまで対策が整えられるものかと正直驚きました。

mimicそれ自体については面白そうという評価であり、絵描きが悪意あるネットユーザーから守られ、安心して利用できる仕組みづくりが待たれていました。

ユーザーの事前審査によって「これは無断転載アカウントではないか?」と疑われる人はある程度弾かれるし、学習元データが半強制的に公開されることで「これ、私の絵が勝手に使われてる!」と客観的に証明されることになります。

絵描きの端くれの私から見ても「これだけ手厚ければ安心できるかも」と思えたし、Twitterにおいても「ありがとう」「応援してます」という歓喜の声があふれていました。(まぁ自分が実際に利用するかどうかは分かりませんが。。。)

このイラストメーカーAIの話を聞いた当初は正直いって背筋を冷たいモノが走らないわけでもなかったのですが、運営さんは本当に心から絵描きさんの力になりたいと願っていたんだなと、それを態度でしっかり示してくれたなと感じました。

まだまだ課題が完全に解決したわけではないでしょうし、これから新たな問題が出てくることもあるかもしれませんが「この運営ならきっと大丈夫じゃないかな」と今は心から思えるし、応援したいとも思えます。

そして、この対策が上手くいって、今後インターネットにおけるアート・イラスト系サービスのスタンダードになっていくといいなと願います。