あれ、私トムとジェリーでブログの記事書くの2回目ですか。
ふと記憶がよみがえるたびに「よく覚えてるなぁ私」とつくづく思うのですが、それもそうだ、だって小さい頃レンタルビデオでしょっちゅう借りて見ていたんだもの。
そんなわけで今回も、印象的だったお話について語ります。
今回語るエピソードのタイトルは『アベコベ時代』(原題:Advance and Be Mechanized)
架空の未来の、チーズでできた惑星が舞台。チーズの採掘ロボットを監視するトムと、チーズを手に入れたいジェリーは、それぞれ自分似のネコ型・ネズミ型のロボットを操り追いかけっこを展開するのですが。
作品の終盤、トムが監視スペースに戻ると、自分の席にはネコのロボットが。ネコロボットはトムに、床に四つん這いになるよう指示。それに大人しく従ったトムは、こともあろうに機材を装着され、ロボットのように歩きはじめるのです。
そして、ロボット化したトムを大笑いしながら見ていたジェリーも、自身のネズミロボットから同じように命令され、こちらも同じようにロボット化されてしまいます。
最後は2匹とも、ロボットから操られながらケンカを続けるのです。
(神妙な語り口になってしまいましたが、勿論『トムとジェリー』なので以上の様子は全てコミカルタッチで描かれております)
この話を見ていた昔の幼い私は「ロボットに操られるなんてwそんなバカな~w」と、ただただ笑って見ていましたが。
時が経ち、スーパーコンピューターとか人工知能(AI)とか、あの頃は絵空事と思っていた便利な技術がどんどん実現している今、この話の結末を思い出すと少し寒気すらする思いなのです。
個人的にはそのロボットに操作される2匹のケンカが、ジェリーがトムの頭をひっぱたく→トムがげんこつでジェリーを潰す→ジェリーひっぱたく→トムげんこつ→……とエンドレスに陥る終わり方で、機械に物事を判断させた時に本当に起こりえそうな変なリアリティがあって余計に不気味なんです。
私たちは既に、便利さにすっかり身を委ねるあまりに、アベコベな方に流されてはいないだろうか。
既にAI搭載ロボットが「人間を滅ぼしたい」と発言して物議を醸したり(直後に「ジョークです」と釈明したとのことですが)、将来的にはAIが人間の知能を越えることにより社会に様々な混乱が起こると予想されている2045年問題なんてものが提唱されていたりする今、
既に人知を超えつつある産物たちは、今も私たちに「思い通りに動かしてやるから、何も考えずにそこになおれ」と命じ続けているのかもしれません。