約半月ぶりの更新ですが、皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
連日どこのメディアもネットも、新型コロナウイルスの報道でほぼもちきりですね。今日は何人感染者が出たとか、苦境に立たされ荒む人々とか、この混乱につけ込まんとするデマとか詐欺とか、お上や諸外国の対応がうんたらとか……
はい、その……私、若干、コロナ疲れ気味です。
元々インドア派の私なので自宅で過ごすことは万々歳なのですが、どうしてもの大事な用事で外に出るのが怖すぎてたまらなかったり、家族含め周りの人のちょっとしたせきやくしゃみにビクビクしたり、そんな自分がすごく醜く見えて嫌になります。
そんな今の自分の心にめちゃくちゃ沁みる印象的な歌があって、今回はその紹介です。
2013年に『さらさら』との両A面シングルで発表され、アルバム『小さな生き物』にも収録。
スピッツの曲については前身のブログで何度か話題にすることがありましたが、中学生の頃から大好きなのです。
当初は幻想的な歌世界を楽しんでいましたが、年を重ねるにつれてだんだん聞こえ方が変わっていきました。喜びを増し、悲しみに寄り添い、時に背中をそっと押してくれるようになりました。
つい先ごろこの曲の存在を思い出して久しぶりに聞いた時も、涙が出そうになり、浴びるように何度も繰り返し、胸のつかえがスッと消えていく思いでした。
歌詞の1つ1つが本当に今の自分に重なり、瑞々しく輝きを放っているのです。
(以下、歌詞引用:http://j-lyric.net/artist/a000603/l02cdfb.html)
笑えない日々のはじっこで
普通の世界が怖くて
今私の見ている世界を、こんなにも端的に表している言葉は他に無いかと。たくさんの人が街を行き交っている、平時だったら何も思わない世界が怖い。
指の汚れが落ちなくて 長いこと水で洗ったり
朝の日射しを避けながら 裏道選んで歩いたり
こちらは2番の出だしですが、この辺りもモロですね。2013年の曲ですよ。。。
しかし程なくして、この曲はサビを迎えます。
僕はきっと旅に出る
今はまだ難しいけど
この1フレーズがまた、このご時世に途方もない輝きを放っている。
「今すぐ行くんだよ!」じゃなくて、今旅に出られないでいる人にもきっと何か理由があるんだろうな、と寄り添う優しさが垣間見えます。
外出自粛が要請されていますから、今やりたいことをやるのは本当に難しい。けれど、いつか必ずワクチンやら特効薬やらが開発されて、怖い病気じゃなくなる時が来る。
そうして、安心して心置きなく旅に出られるようになったら
見たい物を見に行こう。
食べたい物を食べに行こう。
会いたい人に会いに行こう。
叶えたかった夢を、叶えに行こう。
そんな前向きに生きる元気と勇気が湧いてくるのです。
なんでこんなに響くのかなと思ったら、なるほど。この曲が世に送り出された背景や時代が、今と通ずるものがありました。
この曲が収録されたシングルが発売されたのは、前のシングルから2年8ヶ月後。スピッツとしてはかなり間が空いてのリリースだったそうで。
その間に起きた東日本大震災がきっかけで、ボーカルの草野マサムネさんが心労で体調を崩され、しばらく音楽活動がままならなかった時期があったといいます。
世の中に切実な空気が漂っているのは、本当に当時と似てると思います。そんな中でも歩んでいこうとする気持ちの下で生まれた曲だから、響いたんですねきっと。
2013年発売の雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』10月号にて、草野さんは次のように話されています。
これは、自分の心がちょっと落ちてる時に、こういうことを歌ってほしいよなっていう、自分だったら聴きたいものを作ったって感じですね。
音楽で癒したいとか救いたいとか、そんな大それたことではなく、一瞬でもなんかこう、気持ちが軽くなる瞬間を持ってもらえるようなものが作れたらいいなあと思うんですよ。まあそれが役割だと思ってるので。
あぁ、そう話す草野さんがすんごいスーパーヒーローに思えてきた。。。(笑)
今は戦々恐々としていますが、こんな時も永遠じゃない。
#うちで過ごそう とか #StayHome とか色々謳われていますが、それも旅に出るための大事な準備の時なんだと捉えて、強く優しく生きたいのです。
星の無い空見上げて あふれそうな星を描く
愚かだろうか?想像じゃなくなるそん時まで